無心な身にも、しみじみとした情感は感じられる。鴫が飛び立つ沢の秋の夕暮れ。
心なき身にもあはれは知られけり 鴫立つ沢の秋の夕暮れ
出典:西行法師「新古今和歌集」
西行が「もののあわれ」を詠んだ代表的な歌だ。修行僧として煩悩を超えたつもりの「心なき身」にも、秋の夕暮れという美しくも哀愁に満ちた情景が深く感じられるという逆説だ。感受性は修行で消えるものではなく、むしろ深まるという洞察だ。美しいものへの感動は人間の最も根本的な応答だ。
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