することもなく退屈なままに、一日中硯と向き合って、心に浮かぶとりとめのないことを、あてもなく書き付けると、なんとも奇妙に気が狂ったようになる。
つれづれなるままに、日暮らし、硯にむかひて、心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。
出典:吉田兼好「徒然草」冒頭
鎌倉時代末期の随筆家・吉田兼好の「徒然草」の書き出しだ。退屈・無聊・暇という状態から生まれる内省——これが「徒然草」という日本文学の傑作の出発点だ。「する必要のないこと」を書くことから生まれる思索の豊かさ。生産性・効率から離れた「退屈」の中に、深い自己観察と洞察の契機がある。
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吉田兼好の他の名言
することもなくぼんやりしながら、一日中硯に向かって、心に浮かぶとりとめのないことを書き連ねると、妙に狂おしい気持ちになる。
物事の定まりなく移ろうことこそが素晴らしい。
友として悪い人間には、七つのタイプがある。
昔のことも今の人の上にも見える、すべてに理のある世の習いだ。
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